着物の買取はコマーシャルなどよく聞きますが、反物の買取も実は高価買取になります。
昔の着物などはどうしてもシミ・汚れ・カビなどが付いていることがあります。
それに比べて反物は未使用品です。過去に市場に出て買い手が付いたとは言え、着物に仕立てて着たわけではないのです。誰も手を通したことがない品です。
着物買取業者から購入して仕立てれば、自分が初めて着用するわけです。
そのことも高値の付く要因です。
また反物は丈や袖の長さなど自分に合わせて新たにオーダーして着物を仕立てられる点も大きなメリットと言えます。
反物を高く買い取ってもらうためのコツやどこに買取を依頼したらよいかなどご紹介します。
- 反物買取、未使用品なので着物より高値が付くことがある
- 着物反物、着物地以外に羽尺地、着物コート地など種類がある
- 着物反物売りたい、経験豊富な査定士のいる業者に依頼する
- 反物買取相場、生地や素材で値が違い正絹が高い
- 反物売る、シミや汚れがなく状態の良いうちに早めに売る
反物とはどういう意味?
反物とは着物に縫い上げられる前の布地のことです。
反物は筒に巻かれた状態で販売されています。
反物は同じ柄が繰り返されている着物に仕立てられます。
反物の「反」は布地の長さを表す単位です。一反は着物一着分に必要な生地というのが本来の意味です。「胴裏」、「帯地」、「八掛」を作るものは一反に満たないですが、短くても反物と言われています。
幅約36cm×長さ約12mぐらいのものが一般的なサイズです。
同じ柄が繰り返されている着物(留めそで・振袖・訪問着以外)
- 小紋
- 付け下げ
- 浴衣
- 紬 など
反物と着物の違い
反物は着物になる前の生地のことを言います。反物は巻物のような形状の布です。反物はそのままでは着られないので衣服とは言えません。
留めそで・振袖・訪問着は仕立てられた形状で販売されています。反物ではありません。
但し、「反物」が和服用の織物の総称として使われている場合もあります。
本来、「着物」は着るものの総称の意味がありましたが、現在では「和服」を示す言葉となっています。特に「着物」は和服のうちでもでも長着を指していることが多いです。
反物の種類は何がある?
反物の種類にはいわゆる着物(長着)を仕立てる反物の他に下記のようなものがあります。
和装コート・羽織・雨コート・襦袢袴などを作るための反物があります。
光沢がよい生地・刺しゅうを施した着物生地・汚れや水に強い生地・帯用に織られた生地など様々あってそれぞれの用途に適した生地が使用されています。
何を仕立てるかによって生地の素材・織り方など違っています。
どんな反物? | |
羽尺地(はじゃくじ) | 大人用の羽織や和装コートを1枚作るのに必要な布地で幅約36cmで長さ9~11m |
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雨コート地 |
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袴地 |
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帯地 |
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長襦袢地(ながじゅばんじ) |
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夜具地 |
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反物の相場(生地・素材)
反物の買取は正絹のものが一般に高値が付きます。
化繊・ウールの生地は元々の値段が安いこともあって買取ができなかったり、わずかな金額にしかならないのです。
反物も着物と同様、有名作家の反物・伝統工芸品や老舗の織元の反物となると高額買取となります。
反物の買取相場と言っても保管状態がよく汚れ・シミのない物であるか、かなり古い貴重な反物であるかなどによってもそれぞれに違うのでなかなか一概には言えません。
種類 | 相場(円) | 特徴・説明 |
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正絹 | 3~4万円まで(但し大島紬、結城紬は10~20万円) |
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木綿 | 数千円まで(但し久留米絣など伝統工芸品に指定されている場合は1万円以上) |
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化繊(ポリエステル) | 値段のつかないことが多い |
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麻 | 越後上布、八重山上布、小千谷縮など数万円まで |
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ウール | 値段のつかないことが多い |
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反物を売る方法一覧
時代が変わって着物を着ない生活に変化していき、タンスに眠る反物の処理に頭を悩ませている人も少なくありません。
悔いの残る反物の売却をしないためにも信用のおける業者に買取を依頼する必要があります。
買取方法には店頭買取・出張買取・宅配買取があります。
買取店舗に反物を自分で持って行くことが可能で交通費がかからないか、査定してもらうための時間を作れるかなど自分の都合と考え併せて、一番良い方法を各自選ぶ必要があります。
買取店舗への持ち込み
着物専門の査定士がいる買取店を検索して、店頭に持ち込むことです。
目の前で査定士が反物を査定してくれることがメリットです。査定の理由なども説明してくれるはずです。
反物を見る目の肥えた経験豊かな査定士に対応してもらうことが、納得のいく売却をするために大切なことです。
査定額に納得がいけばその場で現金買取となって支払われます。
一日で取引が終わるので手間がかかりません。
但し、店頭に持ち込んでもその場で査定せず預かりとなり後日、査定額の連絡がある店舗もあります。
買取業者へ宅配で見積もりしてもらう
反物買取の実績が高い業者に依頼して宅配で反物を送り査定してもらうのも便利です。
宅配にかかる配送料・箱代・査定料などはどこの業者も無料というところが多いです。
わざわざ店頭に持ち込むのは重くて交通費もかかるとお考えの人は宅配を利用すると便利です。
また自分の都合の良い日にいつでも反物を送れるというのもメリットです。予約時間や出張訪問時間に縛られません。
査定してもらっても、納得が行かない時は売却せずに送り返してもらうことも可能です。
買取業者で出張買取を頼む
買取店が近くにない時や交通の便が悪く反物を店舗に持ち込むのが困難な場合は出張買取を依頼すると便利です。
着物専門の査定士に自宅に来てもらいよく説明を受け、納得した上で売却することができます。
どこで購入した反物か、いつ頃購入した反物かなどわかることがあれば反物の由来など話して高価買取をアピールすることもできます。
そのうえで売却すれば、後悔も残りません。
しかし、自宅に面識のない査定士が来ることに抵抗がある人にはあまりおすすめできません。
女性の査定士を希望したり、玄関先で査定してもらうこともできます。
リサイクルショップ・フリマサイト・オークションサイトはおすすめしない
着物買取専門業者や大手の買取業者には、着物や反物について専門的な知識を持った査定士が必ずいるので、反物の価値を正しく査定して買取を行ってくれます。
そのため売却して「もったいなかった」、「後悔した」と後で思うことが少ないはずです。
それに対してリサイクルショップ・フリマサイト・オークションサイトは着物専門の査定士がいないので正しい価値を査定して売買するわけではありません。
後になって「売却するのではなかった」、「他の方法で買取してもらえばよかった」と思ったこともしばしばあるというのが現実です。
リサイクルショップで着物を買い取ってもらっても、これらの業者では反物の販売ルートを持ち合わせていないので、買取価格が低めになることもあります。
また、フリマサイトやオークションサイトで反物を売買すると連絡など手間がかかったり商品の価値をめぐってトラブルが起きる可能性もあります。
反物買取でおすすめの買取専門業者
下記の4社の買取業者は運営会社もしっかりとしていますし、反物の扱い件数も大変多くなっています。
着物・呉服に対する知識の豊富な査定士が必ずいて、反物の価値も正しく見極めてくれます。
沢山の人が視聴する全国ネットのコマーシャルが行われていることも安心材料の一つです。
これらの業者では買い取った反物を着物・反物に愛着を持っている人へ販路を広げていきます。そのため買い取った着物を雑に扱ったり安値で売り飛ばすような取り扱いはしないので、大切な着物の買取を安心して依頼することができるのです。
バイセル
バイセルは着物買取件数がとても多い買取業者です。
着物の知識の深い経験豊富な査定士がいて反物の査定もていねいに行っています。
売ろうとする反物の情報や価値がわからなくても着物のプロが査定するので思っていた以上の価値を見つけ出してくれることもあります。
特に反物の価値がわからない場合にはバイセルに買取を依頼すると安心です。
汚れたりシミのある反物でも有名作家・産地の反物は案外高額で引き取ってくれることもあります。
「こんな反物、買取不可だな」と思ってもとりあえずバイセルに相談してみるべきです。
思いがけない買取が可能になる場合もあります。
福ちゃん
着物に特化した査定士がいるので反物の見る目も確かです。たくさんの反物を査定しているので経験豊かです。
人気のある反物についても知識があり査定能力が高いのです。
レディースプランといって女性のスタッフがすべて対応してくれるサービスもあります。買取依頼が初めてという人も必要以上に構えることなく安心して買取を依頼することができます。
買取依頼が初めてで着物や反物の知識がない人、自分が所有していた反物ではなく祖母や親戚から譲り受けた反物を売却したい人でも、安心して査定を依頼することができます。
また、日本はもちろん海外にも着物や反物の販売経路を持っていることが高価買取を可能にしてくれます。万が一、日本であまり人気のない反物でも海外では大いに人気ということが十分あり得るのです。
ザ・ゴールド
ザ・ゴールドは創業60年の老舗の買取業者です。
実店舗数が多いのが特徴です。自宅から行ける店舗買取を希望する人には適しています。
値のつかない反物も無料買取してくれるのは助かります。
値のつかなかった着物や反物でも洋服・バッグ・小物・雑貨などを制作することに活かすリユース活動を進めているからです。
ザ・ゴールドの査定士は着物買取に関する様々な資格を取得して確かな目を持っています。同時に買取相場や為替などを調査してより高額買取に努めています。
Good Deal
Good Dealでは着物や反物などの専門の査定士が丁寧に査定してくれます。
Good Dealでは査定の前に電話・メール・LINEで相談もできます。画像を送ってLINE査定を行えば、買取が可能な着物や反物かの目安・買取相場などを確認することも可能です。その結果で買取を依頼するか決めることもできます。
反物が適正に評価されないと買取価格が相場と大きく違ってしまいます。
Good Dealでは着物や反物に詳しい査定士が査定しますので、買取成立後、「買い叩かれた」、「買取不可だった」など不満に感じることは少ないはずです。
反物が高く売れる理由
買取というと着物のみという印象を持っている人もいるかもしれませんが反物も着物同様、高価買取の対象となります。
反物は未使用品ですから高値買取が期待できます。
また買い手に合わせて自由に仕立てることができるので需要が多く、高値買取につながります。
反物を洋服や現代的な着物にアレンジすることもできます。
未使用だから
反物ですから基本的に未使用です。
どんな種類の買取でも未使用の場合は人気があります。
未使用の生地はシミ・汚れ・カビ・虫食いがある確率は、着用した着物より低いはずです。
自分が着るものは、一度他の人が手を通したものより新品がいいと思うのは万人の考え方です。そのため未使用の反物は人気があるのです。
未使用ということで証紙・箱など作家物・伝統工芸品であることを証明する付属物が付いたままのことが多いのです。これらは高価買取の条件になります。
使い道が限定されないから
反物は再び他の人に渡った時、体形に合わせて仕立てることができるということが最大の強みです。
昔と現代の人で体格が違っています。現代の人の方が大きいので、せっかく買取品の着物を手に入れても寸法が合わずに着こなせないということもあります。そんな欠点が反物にはありません。
また反物と言ってもただ着物を作るだけではなく、洋装のデザインを取り入れてアレンジしたり袖の長さを変えるなどいろいろな使い道があります。
反物は制限がなく自由に使えるので買取価格が高い可能性があります。
反物を高く売りたい時に見るべきポイント
いくら今後使用の機会のない反物でも愛着はありますし、ゴミ同然の処分の仕方は避けたいものです。
着物を手放す後ろめたさを少しでもなくす方法の一つが適正な査定を受け高価で買取してもらうことであると考えることもできます。
売却しようと思う反物を丁寧に大切に保管し状態の良さをキープしてきたか、有名作家・ブランド物であるか、現代においても人気のある柄や色であるかなど高値買取の条件はしっかり押さえておきたいものです。
そのための証紙なども大切な証拠品です。
着物の知識のあまりない人は特に経験豊富な着物に対する知識の深い査定士がいる業者に買取を依頼し、価値を見極めてもらうことが大切です。
状態が良い、美品である
着物・反物に関わらずどんな買取品でも状態が良いものは高い買取価格が期待できます。年数の経過した反物もシミや汚れがない反物・カビや虫食いがない反物は買取後高い価格で販売できるからです。
大手の業者であれば、クリーニング設備を持って買取後状態を修復することもできます。しかしそれには人件費・材料費などがかかります。
なるべく良い状態で保管してあった反物はそれだけでいい値が付きます。
時間が経過すると反物の状態は悪くなる一方なので、買取を考えているならなるべく早く売却するべきです。
有名作家・ブランド物である
着物同様、有名作家や山本寛斎、ハナエモリなど本来着物以外の有名なデザイナーの創作した反物は人気があるので高値が付きます。
もちろん伝統工芸品である反物・有名織元の反物は高額買取です。
経験豊富な査定士が査定する場合にはこのような反物を高く評価してくれます。売却する側でも反物の良い点をできるかぎりアピールするべきです。
有名作家・ブランドの反物は汚れやシミなど少々状態が悪くても高値が付きます。
人気のある色・柄・デザインであること
反物の柄・色・デザインも買取価格に影響を与えます。
昔からある古典柄、例えば松竹梅・鳳凰・亀甲文様・獅子・孔雀など年齢に関係なく幅広く人気のある模様です。
季節や年代、流行を超えて万人に愛される色や柄、構図の反物は買取しても需要があるとみられて高い買取価格が付く場合が多いのです。
奇抜な柄や色・デザインの反物は購入者の好みもあるので売れにくい傾向があります。買い手が多くつきそうなみんなに好まれる反物は販売にもつながりやすいため、比較的高く買い取ってくれます。
証紙があるなら一緒に査定に出す
証紙は着物の品質と価値を示す証明書です。
証紙は着物産地が伝統芸品として認められるか、織元組合の品質検査に合格したかなど厳しい基準をクリアした反物や着物にしか与えられないのです。
証紙には反物の生産地・織元の名前・伝統工芸品のマークなどが記されていて、この証紙が存在することによって買取価格が高くなるのです。
証紙がないと買取業者によってかなり価格に差が出てしまいます。
2社以上で相見積もりをする
同じ反物でも買取価格に差があるのが現実です。
査定士の経験不足で適正な査定ができないことも残念ながらあります。
多くの業者では査定に納得がいかなかったら買取を依頼しなくてもお金がかからない場合が多いのです。2社以上で査定してもらって査定額が高いところに売却することをおすすめします。
複数の業者に出張買取を依頼し同時に査定してもらって高い方に売却するのも一つの方法です。業者同士の競争で買取価格が上がることもあり得ます。
反物が高く売れた実際の口コミ・体験談
- ずいぶん前に亡くなった祖母の着物がタンスにたくさんあったので売却というより処分のために買取を依頼した。箪笥に閉まったままで手入れもしていない反物が思った以上の金額で買い取ってもらえた。現在では手に入らない貴重な反物が何着があったと査定の後説明を受けた。
- もう仕立てることのない反物があったので出張買取をお願いした。着物の知識が深いベテランの査定士に査定してもらったところ、他の業者の2倍ほどの買取価格が付いた。その反物と一緒に購入した和装小物も買い取ってもらってさらに金額が上乗せされた。
- 以前は反物を購入して仕立て屋さんに出していたが、まだ仕立ててない反物が残っていた。年齢から考えて反物を仕立てて着物にしても派手すぎる反物を売却することにした。反物が比較的新しいこともあり、思っていた以上の価格で買い取ってもらった。